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新鮮な食いもんと快適に暮らせる家を手に入れて、それからやっと真剣に考えた。 さて人間に戻るためにはどうしたらいい? それであっと思いついた。 そういやガキの頃読んだおとぎ話やなんかじゃあ、男と女がちゅっとすりゃ病気が治ったり寝てたのが起きたりしてたぞと。 もしか、俺のもそのパターンじゃねえかってね。 つまり人間の女が俺っちの唇に一発かましてくれりゃ、人間に戻れるんじゃねえかって思いついたのよ。 その矢先だったってわけさ。 嬢ちゃんが現れたのは。 嬢ちゃんの部屋で暮らし始めたその晩すぐに、俺はやったよ。 まるで変態にでもなったような気分だ。 だってたかだか十歳かそこらのガキタレよ? けど背に腹は代えられねえ。 くうすか寝てる嬢ちゃんのやわこい頬にぺっとしがみついた。 ちっちゃな唇の真ん中によ、ぷちゅっとやったよ。 なんにも起きやしねえ。 カエルのまんまだ。 やっぱりガキじゃダメなのか… がっかりしてその夜はふて寝さ。
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