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「兄ちゃん、カエル好きかい」 「いや…僕は別に」 隣のマリがすかさず間に入る。 「マリが来たいって言ったの。カエルグッズばっかりの雑貨屋さんあるよって友達が教えてくれて、なにそれ絶対行くーって思って、今ってあたしら授業の合間なんですけど一緒にきてもらったんですぅ」 棚に置かれていたカエルのぬいぐるみを手に彼女が答える。 あらためてあたりを見渡す。 ぬいぐるみだけで百種類以上もあるんじゃないだろうか。 しかも、全部カエル。 ぬいぐるみに限らず、店の商品どれもがカエルにちなんだものらしい。 「そうかい、おねえちゃん、カエル好きかい」 「大好き!」 弾ける笑顔でマリが答えると、同志を見つけたとばかりにおやじの顔が綻んだ。
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