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「お嬢さん、泣かないでください」
あん時の嬢ちゃんの顔ったら。
そらびっくりもするわね。
いきなり自分の手の平くらいのアマガエルに声かけられるんだから。
おっきな目ん玉くるくるさせて俺を見た。
「カエルさん、しゃべれるの」
「僕は人間の言葉を話すことができます。
特別なカエルなのです。
お嬢さん、ボールを落としちゃったんですね?」
またしょんぼりした顔に戻って嬢ちゃんは頷いた。
「この池は僕の家です。
泳ぎだって大の得意です。
あなたのボールを探して取ってくることくらい、朝飯前ですよ」
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