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 小学生は、近所で集まって、まとまって登校する。私の住まいはマンションで、待ち合わせはマンションのロビー。  小さい学年からの2列で、一年生の中で一番小さかった私は、当然のように一番前だった。  一番前の子は、班長と手を繋いで行くことになっていた。  私が入学したその年の班長は、隣の家(部屋)に住む6年生の翔太くん。常に静かに笑っている、穏やかな男の子だった。  誰かがふざけたりすると、「はははっ」と笑いながら頭をくしゃくしゃっと撫でるのが癖で、私はそれをしてもらいたくて何度も翔太くんを笑わせようとはしゃぎまくっていた。  口数が少なくでしゃばることはないけれどしっかり者な翔太くんは、「お姉ちゃんなんだから」と叱られることの多かった私にとって、憧れの『お兄ちゃん』だった。  私は、翔太くんが大好きだった。
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