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「翔ー、今日何するー?」
「ゲームしようぜ、プレフォーの」
弘樹の家にある家庭用ゲームで遊び、飽きたら外に出てキャッチボールやサッカー。何気ない遊びを続けていると、時刻は4時半を指していた。
『おまえ、明日は4時半には帰れよ。トレーニング教えるから。』
昨日、父に言われた言葉を思い出した。
何故トレーニングをするのかというと、部活で成功させる為だ。翔は昔から父に野球を教えてもらっていた。父は大の野球好きで、翔を将来甲子園球児に仕立て上げたいらしい。部活も今の所野球部に入る予定である。
そんな訳で、翔は今日その為に4時半には帰っておかなくてはならなかったのだ。
「やべ、時間だ。すまん弘樹、今日もう帰るわ」
「え、はやくねーか今日?まあいいか、ばいばーい」
手早く荷物をまとめ、自転車を思い切り漕いで帰る。
(ちょっとおそくなっちゃったな。怒られないかな…)
そんな心配をしつつ、翔は自転車を漕ぐペースを速める。
帰り道の最後のカーブを曲がり、家が見える直線に差し掛かる。
その時、翔は何か違和感を感じた。
(なんで、
玄関の前に近所の人がこんな集まってんだ…?)
初めて見る、異様な光景。
ざっと10人以上はいる。
何故だ。今日は何も特別な日じゃないはず。
家に着き、翔はそこにいる近所の人の1人に何があったのか聞こうとした、
が、先に口を開いたのはそこにいた近所の1人の方だった。
その人は何か慌ただしい様子で、早口で。
「翔君、あのね、急におじいちゃんが倒れちゃって」
信じられないことを口にした。
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