第2章 20170402

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「翔ー、今日何するー?」 「ゲームしようぜ、プレフォーの」 弘樹の家にある家庭用ゲームで遊び、飽きたら外に出てキャッチボールやサッカー。何気ない遊びを続けていると、時刻は4時半を指していた。 『おまえ、明日は4時半には帰れよ。トレーニング教えるから。』 昨日、父に言われた言葉を思い出した。 何故トレーニングをするのかというと、部活で成功させる為だ。翔は昔から父に野球を教えてもらっていた。父は大の野球好きで、翔を将来甲子園球児に仕立て上げたいらしい。部活も今の所野球部に入る予定である。 そんな訳で、翔は今日その為に4時半には帰っておかなくてはならなかったのだ。 「やべ、時間だ。すまん弘樹、今日もう帰るわ」 「え、はやくねーか今日?まあいいか、ばいばーい」 手早く荷物をまとめ、自転車を思い切り漕いで帰る。 (ちょっとおそくなっちゃったな。怒られないかな…) そんな心配をしつつ、翔は自転車を漕ぐペースを速める。 帰り道の最後のカーブを曲がり、家が見える直線に差し掛かる。 その時、翔は何か違和感を感じた。 (なんで、 玄関の前に近所の人がこんな集まってんだ…?) 初めて見る、異様な光景。 ざっと10人以上はいる。 何故だ。今日は何も特別な日じゃないはず。 家に着き、翔はそこにいる近所の人の1人に何があったのか聞こうとした、 が、先に口を開いたのはそこにいた近所の1人の方だった。 その人は何か慌ただしい様子で、早口で。 「翔君、あのね、急におじいちゃんが倒れちゃって」 信じられないことを口にした。
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