遺言書

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「魔王様!勇者どもが攻め込んできました!」 終わりを告げる声。 どうかそれが始まりを呼び込んでくれますように。 下層から聞こえてくる意気揚々とした殺害報告。 全く。 双方多大な時間を費やしたのだから、価値観が変わってくれないと困る。 鬱にならないようにヒトの形を成してないのだから、引きずられると困る。 全てが終わったら潔く自慢話にして、どうか抜かりのない武勇伝にしてくれ。 その際に余裕だったとつまらない嘘をついてくれないことを願う。 長い時間が合ったのにもかかわらず、死に際が長いのは今になってようやく思うことがあるからだ。 魔王の死に際が長い理由は多分それだ。 未練とも取られかねないが、そちらと同じく達成感を味わいたいのだ。 だからどうか、一抹の不安を感じさせることなくめっためたに倒してくれることを望む。 そして。 全てが私の企みの上であろうと、勝った方が正義。 敗者に語る資格なし。 だが、魔王に口にする痛い台詞は、一応長年考えた物であり遺言なのだから笑ってくれるな。 自分が死ぬまでが全ての計画。 だから私の死に顔はきっと安らかな物だろう。
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