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「採用試験? なんですか、それは」
ヴェロニカの行動力は桁外れだ。そのおかげで、あっという間に「リーカ国に学校を!」というハナシが本格稼働し始めた。
ノア王子はそのスピードについていけない――というか、ついていきたくないのだが、事あるごとにヴェロニカが纏わりついてくる。
「本当に知識がある人物なのか、正しく子供たちに知識を伝えられる人物か、見極めなければならないんだよ」
こてん、とヴェロニカやマイク、ジャスミンたちが一斉に首を傾げた。さっぱり意味が解りません、と顔に書かれている。
「そんなの、どうやって推し量るの?」
「あー……。王女、筆記試験と面接の場を設ければよいのだ」
「ヒッキシケン? メンセツ?」
「なんだ、それは……初めて聞く単語だな」
「あー、なんと説明したら良いのか……」
王子は、うんうん唸って天井を見た。
「筆記試験は――知識の量や、どの程度正しい知識を持っているのかを問う試験と思ってくれ。紙に問題を印刷しておいて、そこに答えを本人に書かせる。面接は……そうだな、実際に対面して話してみる試験方法だ。質疑応答で人柄だとか考え方だとかがわかる。明らかに教師にふさわしくない輩は排除せねばならない。なにせ、余所の家庭の子供たちを預かるのだ。いい加減な輩、好みのタイプでない輩はお断りだ」
先生選びは慎重に、ということだろう。リーカ国の面々は複雑な顔になってしまっている。
「だ、大丈夫、手伝う……から……」
「ありがとうございます、ノア王子!」
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