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それからここは魔王軍の本拠地であったダンジョンの最奥地だった。地上からここに来るにはダンジョンを攻略する必要があり、ここ数百年でそのような勇者は現れなかった。
「とりあえず、よくわからんから地上に出てみたいんだけどいいかな?」
「何を仰いますか、魔王様はここで力を蓄えください。世界を恐怖に陥れる役目は我々配下にお任せいただけば良いのです。いずれ四天王も目覚めるでしょう」
「え、世界を恐怖に陥れるの?」
「魔王様なのですから、当然でしょう。そして私も、魔王様の第一の家臣として、当然ながらその役目を果たさせていただきます」
そういうものなのか……。まあ見るからに古い人間?魔物か、だし、そういうところにこだわるのは仕方ないのだろう。
とはいえ俺もそれに大人しく従うつもりはない。せっかくの異世界ライフ。それも魔王だ。よくわからないけど強いのは間違いないだろう。よくある例にもれず、しっかりチート異世界を楽しむことができそうだ。好き放題楽しませてもらいたい。
「まずはこれから恐怖に陥れ、支配する世界ってのを見てくるのも必要だろう?仕事は奪わない、しばらくすれば帰るからここから出る方法を教えてくれ」
「おお、そうでございましたか。私の知恵が回らないばかりにいらぬ説明をさせてしまいましたな……。どうかお許しを」
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