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 金曜の明け方、日課のライヴカメラ巡回をしていた僕は、おかしな動きをするホームレスに気づいた。  バスターミナルの端っこのベンチで、正体なく眠っているサラリーマンのおっさんにふらふらと近づいて行く。  僕はわくわくしてライヴ動画の録画ソフトのボタンを押した。  カバンでも盗むか、それとも財布に手を出すか?  とにかくこの動画を警察に持っていけば、また犯罪者を一人減らせる。僕は正義の味方だ。  しかし、このホームレスは、おっさんの腰のあたりにある財布にもカバンにも目もくれず、一直線に顔に覆いかぶさった。 「おえぇぇ、ホモの痴漢?」  思わず声が出る。  ヘッドホンを外し、誰にも聞かれなかったかと周りを見回した僕は、ネットカフェの中が静まり返っていることを確認すると、ヘッドホンをかぶりなおして画面に視線を戻した。  画面の中で暴れるおっさん。殴られても、蹴られても、意に介さないようにおっさんに襲い掛かるホームレス。  置き引きとかのレベルじゃない!  これはこれで事件だ!  食い入るように見つめる僕の目の前で、ついにおっさんはホームレスに引きずり倒され、覆いかぶさったホームレスはおっさんの顔にキスしまくっていた。     
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