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「俺のこと、ちょっとはいいなって思うんだよね。じゃダメな理由ってなに?」
「――自分の後輩に手だせねーだろ」
「嘘だ。社内でつきあってる人間なんて腐るほどいる」
シャツの中、裸の肌を探っていた指が、ぷつっとした突起をかすめる。
松永が「くっ」と掠れた息を漏らした。下腹部に重苦しい電流が走りシャツをたくしあげる。
視界に飛び込んできた赤茶色の突起に親指の腹をあてがい左右に撫でる。やわらかくも固くもなかった膨らみが指の腹の下で徐々にこりこりした質感へかわっていった。
「――ばか、そん…な、さわんな」
ぷくっと限界まで立ち上がった膨らみの先端に、爪先潜り込ませた。
「――っあぁっ」
腰が弓みたいにはね上がる。松永の漏らす声が、鼓膜から全身に伝播していく。
たまらなくなり舌でからめとった。
舌先で割れ目をこじ開けるようにえぐる。
それに飽きたら側面に舌先をあてがいくるくる円周を描く。唾液でてらてらになったそこを最後は根元を軸に思いっきり弾いた。
「ーーっあ、――っ、んな簡単に、あっちがだめならこっちってわけにいかねーだろ!…」
松永の言葉に、ぐっと息がつまった。
今、なんていった?
顔をあげる。
――あっちがだめならこっちってわけにいかねーだろ
確かにそう聞こえた。
『あっち』
冷たい水滴の波紋になってひろがっていく。
やっぱり。ほら、嫌な予感はあたるのだ。
唾液に濡れた膨らみを上下の歯で柔くはさみ、ぎり、と擦り合わせる。
「―――っいっ」
ひゅっと喉で息をのむ音を聞く。
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