黄昏ゲーマー

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 最初は皆平等だったクラスヒエラルキーも一年もすればすっかりと固まっていた。運動部(卓球部を除く)で活躍する人や、彼らの取り巻きと軽音部に所属する所謂リア充層。その下の余り活躍はしてない運動部の人間や、アクティブなオタク達が所属する所謂キョロ充層。そして最下層に自然に話せるのは気心の知れた数人だけ、というオタク層。僕はこのオタク層の人間だ。会話らしい会話をするのはクラスじゃ先程まで居た二人の友人だけだ。  そしてそのどの層にも所属しない、所謂アウトロー集団。それが不良層だ。全員の名前を知っている訳ではなかったが、「とりわけ怖い雰囲気」を持った人物の名は覚えていた。相沢君はこの不良層の「とりわけ怖い雰囲気」を持った人物だった。  茶色の坊主頭に殆ど無い眉毛。見る者全てを威嚇するようなその出で立ちに慌てて視線を画面に戻す。
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