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怖かった。怖くて仕方がなかった。自分が変えられてしまいそうで。
けれどもアベルは覚悟を決めた。魔物になってしまったダルネス。自分がその原因だとしたら受け入れたかった。魔物にその身を堕としてまで、ダルネスはアベルを渇望したのだから。自分がダルネスを受け入れることで、魔物の身でも幸福という感情を得られるのなら、それを与えてやりたかった。
(やはり、俺はダルネスを……)
アベルは自分で自分の感情を持て余し気味であったが、素直になれば良いのだと知った。今もこうやって、すでに答えが出ているではないか。例え、かつての友でも、特別な愛情を感じていない相手に対してこんな気持ちになるわけがないのだ。
アベルはそっと目を閉じて、ダルネスの肩を抱き締め返す。
「いいよ」
「!!」
アベルの肯定の返事に、ダルネスは歓喜した。
ダルネスはアベルの様子を見ながら、魔物らしからぬ優しい手つきでその入り口をほぐしていく。初めは狭く一本しか入らなかった指が、ダルネスの忍耐を重ねた努力により、徐々に綻び始める。
「ああっ!!」
指が三本入るようになった頃、ダルネスの指がアベルの中のとある箇所を掠めると、声を抑えていたにも関わらず、アベルは堪らず声をあげてしまった。
「ここ、気持ちいいんだね…」
アベルの性感帯を見つけて、ダルネスは執拗にそこを擦る。
「くあっ!!あんっ!!」
アベルは一際大きな声をあげた。そこを弄られると、自分の意思など無関係に腰が揺れてしまうのだ。快感のみを追ってしまう。
「はぁあっ…」
アベルを刺激しながら淫靡な姿に魅入っていたダルネスであったが、瞬く間に性器に血が集中して、痛いぐらいに張り詰める。自身にも限界が来たようだ。
「はぁ、はぁ…はぁ…」
喘ぎ過ぎてぐったりするアベルの入り口に、ダルネスはアベルを欲して逞しく主張する、その性器をあてがった。
「アベル…。挿れるよ…」
ダルネスがアベルに覆い被さり、一気に腰を押し付けた。
「!!…くあぁっ!!」
挿入直後、アベルは苦しくて声が出せなかった。ダルネスの指で十分解されていたが、未貫通のその場所は、突然の異物を追い出そうと抵抗を見せている。
「ぐっ…!!」
「アベルっ!!」
痛みは僅かだが、とにかく圧迫感が半端ではなかった。自分の体内に、初めて他人を受け入れているのだ。苦しくて当然だろうとアベルは侵入された箇所の熱さをただ追っていた。
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