いわゆる「卒アル見せて」問題

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本棚にある高校の卒業アルバムを目ざとく見つけた友人Aと、キラキラとした目でそれを見たいと申し出る友人BからE。 彼らが悪い人間でないということは知っているけれど、大学祭に出店する模擬店の打ち合わせのために自分の部屋と洋菓子を提供した私に、これ以上何かを求めるなんて正直欲張りすぎだと思う。 だからと言って拒否すれば、「人に見られたくない過去とはどんなものか」と逆に強く興味を持たれてしまう可能性があるので良策ではない。こういうのは、自分の見知らぬところで詮索されるほうが面倒だ。 現物を前にして「見ていい?」と聞かれた時点でアウトなのが『卒アル見せて』問題の厄介なところ。それに気づかず隠しておかなかった自分にも責任はある。 絶対ダメ、やめて、見ないで、そう言いたいのは山々だけど、残された道はひとつ。別に何でもないことのように「いいよ」と笑うことだけだ。卒アルなんて見られても私は別に構わないという態度を示すことが大切だ。
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