弐:ケガレある乙女

13/18
前へ
/71ページ
次へ
(あたしが男みたいに見えたから、興味をもってただけ) 最初は。 いまは美穂が『女』だと認識しているのだ。もう彼の好みの範疇(はんちゅう)ではないだろう。 (いま、あたしに優しくしてるのは、本当に優しいからだ) 良いことではないか。 あと半月、美穂はこの世界──セキコの屋敷に不本意ながら住まわなければならないのだから。親切にしてもらったほうが、過ごしやすいはずだ。 (なのに、なんで……?) なぜ、こんなにも、悲しいのだろうか──。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

162人が本棚に入れています
本棚に追加