参:サダメられし出逢い

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(せき)をきったように、美穂は泣きながら自身の胸のうちを話す。 いままでこんな風に、誰かに自分の想いを吐露したことがあっただろうか? 自分の弱さなど誰にも見せられない。周り中、敵だらけに思えていた。 「あんたに、そんな風に思われたくなかった……こわかった……」 それなら、自分のほうから遠ざけてしまえばいい、と。傷つきたくない一心でした、愚かな『拒絶』。 「自分勝手な子ね。それでアタシが、傷つかないとでも思ったの?」 泣きじゃくりながらの告白は、己の弱さを盾にした拒絶という名の『攻撃』だと、断罪される。 「だいたい──」 あきれたように息をつき、セキコが美穂の前にかがみこんだ。 大きな手のひらが美穂の両頬に触れ、顔を仰向かせる。 「アタシがいつ、アンタのこと『いらない』って言ったのよ? ひとりで勝手に勘違いして……馬鹿な子」 目じりにそえられた親指が、物言いとは裏腹に、そっと涙をぬぐってくれる。 その優しさに誘われて、思いきって美穂は尋ねた。 「あ、あたし、このままこの世界にいても……いい?」 「アンタが望むなら、好きにしなさい」
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