参:サダメられし出逢い

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「アタシはね、むさ苦しい男なんて、大嫌い! ついでに、器量が良くても愛想のない男や、ムダに伊達を気取る男もムリ! アタシが好きなのは」 言って、ひょいと伸ばされたセキコの指先が、美穂の鼻をつまむ。あでやかに、その顔が微笑んでみせた。 「小さくて可愛い『仔猫』なの」 いきなりのことに面くらい、とっさに反応できなかった美穂は、セキコの指が離れた直後、拳を振り上げた。 「このっ」 「アンタのちっちゃな『爪』くらい、いくらでも受け止めるわ。安心して引っ()きなさい?」 「……っ」 あっけなく阻止された拳は、やんわりと引き寄せられてしまう。 そのまま包みこまれた身体は、初めてされる抱擁(ほうよう)を、くすぐったい思いで受け入れた。 ──ただし、つかの間の従順さではあったが。
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