恋の終わり、恋の始まり

8/8
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「友紀!」 何故かは分からない。けれど……気付けば俺は友紀の名前を呼んでいた。 そんな俺を……友紀は不思議そうな顔をして振り返る。 「何……?」 「その……いや。なんでも、ない」 「──変な司」 そう言ってまだ涙の残る目尻を拭いながら笑う友紀の姿に、再び俺の心臓がギュッと締め付けられるように痛んだ。 あぁそうか……。 さっきから感じていた胸の痛みの正体に、俺は気付いてしまった。 君の泣き顔を初めて見たその瞬間に――どうやら俺は……君に恋に落ちたらしい。 彼を想って泣く君の姿に 無理して笑う君の姿に 確かに恋に落ちたんだ
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!