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「──好きです」
あの日から一週間が経った放課後の教室で……友紀は斉藤に思いを告げていた。
今日告白するから──そう聞いていた俺は、何故か放っておくことも出来ず……結局廊下に座り込んで、友紀が告白するのを盗み聞いていた。
(何やってんだか──)
いくらなんでもこれはおかしい……。幼馴染とはいえ、度が過ぎている。
――そう思って腰を上げようとした俺の耳に、斉藤の声が聞こえた。
「……ありがとう。でも、ごめんね。俺、今は誰とも付き合う気ないから……」
(フラれた──)
しばらく二人が何か話す声が途切れ途切れに、けれど内容が分からない程度に聞こえてくる。そして……。
── ガラッ ──
ドアが開く音が聞こえたかと思うと、斉藤が一人で教室から出てきた。
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