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俺の姿を見て一瞬驚いた顔をした後……「お前がいるなら、大丈夫だな」そう言って教室を去っていく。
どういう意味だ?
──そう思いながらも俺は、友紀が一人でいるであろう教室へと足を踏み入れた。
「──友紀?」
教室を見回すと、机に顔を伏せた友紀の姿が見えた。
名前を呼ぶと、ビクッと肩が揺れたのが分かった。
泣いている……。
運動会でこけて最下位になっても泣かなかった友紀が、ホームランを打って校長室の窓ガラスを割ったせいで説教されても泣かなかったあの友紀が……斉藤にフラれて泣いて、いる。
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