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わたしには理解不能な自問自答にウンウンしながら、タオルで汗を拭いている。
派手なピンクでハート柄のタオルは…母の趣味だと言いたい。
『…』
そういえば…。
木曽君とは同じ大学でも学部は違うのに、どう友達になったんだったか…
覚えてないって、かなり失礼?今更聞くのも気まずくなりかねない?
ふと、そんな疑問が浮かび―…でも別に、学部のくくりなんか廊下やカフェにまで、当然ないわけだし…
友達の友達だった可能性が高いと思った。
同じ学部の友達はみんな、掃苔には興味がないか…お墓参りを敬遠したり、怖がったりで。
わたしも私的な歴史巡りなどは…気楽だし、融通がきくし自由だし、一人がいい派。
特に、掃苔へは…
なので今、誰かと来ているのがとても不思議で、新鮮な気持ちだ。
『…木曽君』
「な~ん?」
帽子がわりか…タオルで額から頭を包んでくくっている姿に、大工さんのそれを思い出す。
『…あれ…?』
何だか少し、精悍になった横顔…見覚えある…ような…?
「ミズキ?どしたん」
『…あ、みんなで来るんもええモンやなぁ思て…新鮮で…』
「みんな…?オレだけやけど、そら一人より二人のが…やっぱオレおったら何かと心強い!?」
顔を輝かせた友達に首を振る。
ハッキリ、横に振った。
『別に心強ないよ…?なんしか…便利ゆうたらアレやけど…』
「ま、まぁ、心強くはあれへんよな…遅刻するわ茶ぁ飲み干すわタオル借りるわ…。逆に足手まといでしかないやんか!今んとこッ」
今のところ、つまり…その先に未来がある!てなぐさめたら、大袈裟かなぁ…青春くさい?
青い夏の空を仰いだわたしは、青い春に興味ない。
『…別に心強ないけど、作業の分担できるんは便利…ゆうか…助かるで…?』
と、ペットボトルを渡す。
『お水かけは…木曽君の分担。暑いしたっぷり…まんべんなくかけてあげて?わたし、お線香つけるから』
「…オレがミズキ助ける…名誉挽回の水かけチャンスくれんのか!」
『え…結構、重いし腕がしんどなるからやって欲しいだけ…』
「腕が助かるっちゅう意味か…フッ腕もミズキの一部です!」
『心静かに丁重に』
「ハイ…黙ります…」
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