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それはない。
真面目に手を合わせている彼の背中を、ジ~ッと。
「…ふぅ。お待たせ」
わたしがいつもしてる行為は、もしかすると人とは違うのかも…しれなくても。
「ミズキ?お~い、どしたん?ミズ…そんな…鋭いまなざしでオレの後ろ見るんヤ~メテ~ェ…何か喋ってぇ~ェ~…」
自分には極当たり前の習慣で…人とは違うモノはある。
変でもやりたいから、だった。
『…気にせんとこ』
「なッ何何何何何を?」
どう思われても…今更やし。
『…別にええや』
「なッななななな何がええん!?主語ッ…頼むし主語つけてッ」
『…あ、木曽君…』
「ハイッ」
声を裏返した彼はいつの間に…立ち上がったんだろう?
随分、顔を引きつらせて…足がしびれたのかな…
『更に汗だくやね…』
「今や98%が冷や汗でできてる状態や」
『?もう1時間経ってたん…?帰り損ねた…』
「そ、の会話から3分も経ってへんのに―…ハッ!異次元の話では時の流れが変とされがち!1日経った筈が実際は数分とか…そうなんやなミズキ?やっぱ見える人なんやな自分!?」
な…何を?何の話?
詰め寄られてあとずさりつつ、リュックを持ち上げた。
『…かたづけしよか…』
「無視すな」
やっぱり変な木曽君と、次に…掃苔へは来ない気がする。
時間がかかって仕方ない。
騒がしくしたくない。
「噂はほんまなんやな…?」
『え…?』
噂…何の噂…?
なおも詰め寄る彼を、回避するには…
『と、とにかく…かたづけて、かき氷…』
「!かき氷…せやった。カラのボトル、入れるで」
わたしからリュックを奪って、ペットボトルを詰めていく。
と、逃げるように大慌てだったのが急に、ピタッととまって。
「…にしても、このリュック。容量デカいし重さにも強いし…ええなぁ。ええわぁ…」
『そ、そぉ…?』
お気に入りを褒められるのは、とても嬉しいモノだ。
変じゃない。
「…よっしゃ。荷物OK。積もる話はかき氷、食いながらや」
『わたしのリュック…』
「気にせんと」
自分の肩にかけた荷物を見て、ニッと笑われる。
「ミズキがスル~…帰らんよう預かっといたる」
『え~…』
「ちょ…マジ帰る気ぃ―」
「―珍しい…こんなとこ拝みに来はったん?お二人さん」
『え…』
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