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頬まで紅潮させている。実はかなりテンションが上がっているらしい。
「それで…お気に召したんですね?」
「おや。よく分かったな」
「その心底嬉しそうな笑い声(魔王風味)で分かります…。
じゃぁ、俺も挨拶して来ますね」
今日は美化委員も招集されていたから、多分きらもそっちに居るはずだ。(※きらは美化委員)そろそろきらの仕事も終わるって伝えておかないと。
部長を見て弟さん驚かなかったかな…と心配しながら(※今日の部長のお召し物=ロンドン紳士風紺色ベスト+懐中時計&プラチナチェーン+ゴージャスかつエレガントなシルクネクタイ+紺プリーツスカート)部室のドアに手を差し伸べたところに、突然肩をつかまれた。
尋ねるより先に、部長は取っ手に手をかけ、勢いよくドアを開け、低く囁いた。
「何か感じたら体裁なんざ気にするな。自分の本能に従え。分かったな」
振り返って部長の顔を見る間もなく、背中を押された。そのまま押し込まれた途端、ばたんとドアは閉じた。
部室に入った俺の思考は、部長の言葉の意味を考える暇もなく、凍りついた。
「……ほら。君が我慢しないから、見られちゃったじゃないか」
部室には、二人の人が居た。どちらがきらの弟なのかは、すぐに分かった。
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