プロローグ

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海のお城に戻ってからも、人魚姫は王子様を想い恋い焦がれます。 食事も喉を通りません。 そんな中、そんな末の人魚姫に気付いた一番上の姉姫ジュエルは末姫の相談に乗ります。 まだ姉姫ジュエルは恋をしたことがありません。 末姫のキラキラと輝く恋する瞳に釘付けになりました。 そして、応援したくなりました。 長女として、お父様の国王からの言い伝えにあった海の魔女なら、末姫の願いを叶えてくれるのではないかと思いました。 そして、 「海の魔女なら、もしかしたらあなたを人間の姿に変えられるかもしれない。」 と言ってしまったのです。 末の人魚姫は海の魔女の家を訪れました。 でも魔女は末姫の美しい声が欲しくなりました。 そこで声と引き換えに人間の足に変える飲み薬をあげると言うのです。 人間になりたい人魚姫は藁をもすがる思いで、声と足を交換しました。 でもその時魔女に、 「もし王子が他の娘と結婚すれば、姫は海の泡となって消えてしまう」 と警告を受けるのです。 更に人間の足だと歩く度にナイフで抉られるような痛みを感じるとも。 それでも王子様のお側に行きたかった人魚姫は、その薬を飲みました。 そして、お側へ……。 足をもらった人魚姫が波打ち際で途方にくれていると、白馬に乗った王子様が現れます。 着るものを持たない人魚姫に驚きつつも、王子様は自分のマントを掛け、城に連れて行きました。 実は王子様は海で遭難した際に、助けてくれた人魚姫の顔をうっすらと見ておりました。 その海にいた姫の顔に見覚えがあったのです。 助かってから毎日、こうして波打ち際を走り、探していたのです。
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