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翌日、目が充血して真っ赤なまま、朝の食卓へ向かった。
「ジュエルお姉様!どうなさったの?目が真っ赤ですよ!」
とカレンは心配そうにジュエルの瞳をじっと見た。
「心配ないのよ。カレン。ちょっと睡眠不足なだけよ。」
と微笑むと、
「ねぇ?ジュエルお姉様。今日、お医者様に診て頂きましょうよ。昨日からおかしいわ。お姉様に何かあったら私……。」
とカレンは不安げにジュエルを見つめる。
「本当に心配ないわ。カレン。ちょっと気になる事があって眠れなかっただけなのよ。体調は至って元気よ。」
と言うと、
「気になる事?ジュエルお姉様、カレンでは相談にのれない事ですか?」
と潤んだ瞳で問われた。
「そんな事はないのよ。大した事ないの。そんな事より、せっかくの朝食が冷めちゃうわ!セバスチャンがいつも腕によりを掛けて作ってくれるのですもの。温かい内に頂きましょう!」
勤めて明るく弾む様な声で、食卓についた。
まだジュエル自身も、この不思議な気持ちが何なのかわからないのだから、相談のしようもないと、ジュエルは苦笑いをしながら、スープを一口飲み込んだ。
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