姉妹会議

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朝食の後、カレンは部屋に戻り、妹マリアにテレビ電話を掛けた。 「マリア。昨日はエルサの法要に来てくれてありがとう。」 「いいえ。カレンお姉様。300年目のお務めお疲れ様でした。とても素敵な法要だったし、エルサも天国で喜んでいるわ。」 とマリアは微笑んだ。 「でも、こんな早くにカレンお姉様からのお電話って珍しいわね。何かありましたの?」 とマリアは首を傾げた。 「それがね……。」 と、カレンが昨日からのジュエルの様子を話すと……。 「ジュエルお姉様は、エルサを大層可愛がっていらっしゃったし、エルサに海の魔女の話をしてしまった事と、それによりエルサが声を失い、目の前で愛する人の結婚が決まったことで、エルサが命を落とした事を自分のせいだと嘆いておられたから、300年目の節目に思うことがおありなんではないかしら?」 とマリアが言うと、 「う~ん?でもね。何となくだけど、それとは違う様な感じがするのよ。勘なのだけど……。昨日、法要の後、珍しくジュエルお姉様がお散歩に出掛けたの。その後から……。」 と考え込む様にしていると、 「どんな風に?」 とマリアが尋ねると、 「食欲が無いみたいなの。でも体調は悪くないとおっしゃるのよ。朝も目を真っ赤にして、良く眠れなかったみたいでしたの。何か悩み事があるみたいなのだけれど……。食事中も上の空の時も多くて、ぽーっとしている事が多くて。本人も気付いてないみたいだけど溜め息をついていらしたのよ。何度もね。セバスチャンも心配しているし……。」 とカレンが言うと……。 「まるで恋患いみたいに聞こえるわ。」 とマリアが言うなり、 「えっ!えっ!ええっ~~~!恋患い!」 とカレンは驚きを隠せずに大きな声をあげた。 「ちょ、ちょっとカレンお姉様!耳に響くわよ!って、ええっ~~~!ジュエルお姉様がこっ恋ですってぇ~~~!」 と、言った本人のマリアも大きな声を上げた。
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