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しばらくして、セバスチャンがカレンの元に来て、
「マリア様がお越しになられました。」
とカレンに伝えた。
「ありがとう。セバスチャン。お茶を宜しくお願いしますね。」
と言い、大広間に向かった。
「マリア!ようこそ。来て下さって嬉しいわ!」
とカレンが言うと、
「カレンお姉様、ごきげんよう!ってそんなご挨拶よりジュエルお姉様は?」
と弾む様な声でキョロキョロと回りを見回した。
「マリア。そんな焦らないで。私一人ではなんと言って良いかわからなかったし、まだマリアが来ることも言っていないのよ。今、ジュエルお姉様はご自分のお部屋にいらっしゃるわ。」
と言うなり、マリアはカレンの手を取り、
「さぁ、カレンお姉様!ジュエルお姉様のお部屋へ参りましょう!」
と、すぅーっと泳ぎ引っ張って言った。
「も、もうマリアったら。」
カレンは引きずられる様に、ジュエルの部屋の前に泳ぎついた。
トントン!
「はい?」
と中から、ジュエルの声がするなり、
「ジュエルお姉様!マリアです!」
と叫んだ。
「えっ?マリア?」
ジュエルは不思議そうに、小首を傾げながら部屋のドアを開けた。
そこには、元気いっぱいのマリアと、何となく疲れた様なカレンが苦笑いで立たずんでいた。
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