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「相変わらずジュエルお姉様のお部屋はいつ来ても綺麗ね。」
とマリアはキョロキョロとお部屋を見渡した。
「うふふ。ありがとう。」
とジュエルが微笑むと。
「この宮殿が綺麗なのもジュエルお姉様のお陰なのよ。海草や珊瑚での生け花もセンスが良いし、調度品のセンスもね。飾ることだけでなく、お片付けも上手だし。このジュエルお姉様のお部屋はジュエルお姉様の集大成みたいなものだものね。ジュエルお姉様は美的センスが最高なのよ!」
とまるでカレンは自分自身を誇るように誇らしげに言った。
「ええ。知ってるわ。うふふ。カレンお姉様は1日中、本を読むことがお好きだし、あまりお片付けとかには不向きな事もね。でもそれがカレンお姉様の知識となり、国を支えている。知識量の多さは人魚の世界でも群を抜いている事もね。その二人の絶妙なバランスがこの国の素晴らしい所なのに、跡取りが居ないのが残念だわ。」
とマリアが言った。
「そうなのよね。娘は遠方に嫁いでしまったし、息子に恵まれなかったから。私達姉妹も6人全て女の子だったしね。」
とカレンが言った。
いつもの事であるが、のんびりしているジュエルは微笑みながら、二人の楽しそうな会話を聞いているだけだった。
「でも、まだ望みはあるかも知れなくてよ?」
とマリアは目をキラキラさせながら、ジュエルを見た。
ジュエルは意味がわからず……。
???
「単刀直入に聞きますわ!今日は無礼講で行きますわよ!女子会ですもの!」
とマリアは何かを企む様な目でまたジュエルを見つめた。
そんなマリアに、カレンはたじたじになり、
「ちょ、ちょっとマリア!」
とは言ったが……。
「ねぇ?ジュエルお姉様。ジュエルお姉様はどなたに恋をしていらっしゃるの?」
とカレンが止める前にジュエルに問うてしまった。
「えっ?えっ?恋???」
と、ジュエルは驚きを隠せなかった。
でも、そんなジュエルの脳裏に鮮明に描かれたのはあの男の人だった。
ぼっ!
っと顔が真っ赤になってしまった。
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