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『人魚姫』のはじまりはじまり……。
海底の王国には、海の王様とお妃様がいて、6人の娘、すなわち6人のプリンセスがおりました。
キラキラ輝く海の底。
幸せに暮らしておりました。
人魚の世界では15歳になると、初めて海の上の世界……、すなわち空を見に行けるのです。
そんな中、末の姫は15歳の誕生日に海面に昇って行きました。
そこには偶然、人間の乗る大きな船が漂っていました。
奇しくもその日は嵐。
船の上にいる美しい人間の王子様を目した人魚姫は一目で恋に落ちました。
でも嵐の大波に王子様は難破してしまいました。
船から溺死寸前の王子様を救い出した人魚姫。
必死に波打ち際まで運びました。
でも足のない人魚姫はそこから先へは進めない。
声の限りに助けを求めます。
「どなたかいらっしゃいませんか?どなたか助けて下さいませ。」
意識の遠退く王子様を必死に抱き締め温め続けながら、意識を失わない様に、鈴の音の様な声で歌います。
何とか王子様の呼吸も整いかけた所……。
偶然浜を通りがかった娘が王子を見つけてくれました。
急いで人魚姫は海に戻ります。
人魚は人間の前に姿を現してはいけない決まりでした。
そっと海面から見守り、助かった事に安堵の涙を流す人魚姫。
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