プロローグ

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王子様は一目でこの子かもしれないと思いましたが、声を失った人魚姫は、助けたのが自分だと言えませんでした。 王子様は見目麗しい人魚姫をお城で住まわせる様に配慮してくれました。 (きっと何かの事情があり、声を失っているのだと、いつか治り本当の事を話してくれると信じて。) 王子と一緒にお城で暮らせるようになった人魚姫はとてもとても幸せでした。 でも時は無情に流れ、一国の王子に縁談が舞い降りました。 国を納めるには仕方のないこと。 そんな中、人魚姫の後に王子を見つけた女性が、隣国の姫とわかり縁談が進んで行きます。 そのうちに事実は捻じ曲がり、その姫が最初から海で助けたと王子様に告げます。 でも王子様は声も見た目も記憶とは違う事はわかっていました。 でも、見た目はそっくりでも声をはっせない人魚姫は名乗る事さえ出来ません。 それに、王子様を愛するあまり、声の出ない自分がふさわしくないとさえ思うのです。
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