終末を迎えても……

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「レヴィン様、ありがとう。……でも、私は……集落から離れることはできません。いいえ、離れません。」 レヴィンの想いは、思わぬ形で拒まれた。 凛とした表情で、レヴィンを見据えるアイシャ。 「この地には、沢山の安らかな魂たちが眠っているんです。祈祷師として、見捨てては行けない。魂と共に……私はこの地を守り、見届けていきましょう。」 それは古風で、馬鹿げていて…… 「レヴィン様、私は祈祷師なんです。魂と共に生き、そして果てましょう。」 ……そして、尊かった。 決意の宿った瞳を見てしまったレヴィンは、カタカタと震える手をきつく握る。 もう、止めることなど出来なかった。 「私が……止めてみせる。魔女などいないと、この集落に脅威はないと!」 レヴィンの必死な、悲痛な叫び。 「ありがとう。……でも、レヴィン様、ご自身の事を第一に考えてください。領主様に逆らったりしたら、貴方が危険にさらされます。貴方が危険な目に遭うのに……私はきっと、堪えられない。」 優しい笑みを浮かべながら、首を振るアイシャ。 アイシャにも、仄かにある『想い』が芽生えていた。 自分の知らない世界を知る男。 奇異の目ではなく、ひとりの女として、自分を見てくれる存在。 誠実で、真っ直ぐな瞳。 アイシャも、レヴィンに恋をしていたのだった。
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