終末を迎えても……

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レヴィンは、ヨーロッパ西の領地の兵士長だった。 剣の腕は他の兵士を凌ぎ、戦略にも長け、領主からの信頼も厚かった。 そんなレヴィンは、ある日領主に呼ばれた。 「……お呼びでしょうか、領主様。」 領主には、祖父の代から仕えている。レヴィンも、父や祖父からは、 『領主を守る楯となり、領主の想いを果たす剣となれ』 そう、教えられ育ってきた。 そんな領主から発せられたのは、思わぬ言葉だった。 「北の山中に、魔女の住むという集落がある。なにやら妖しげな秘術を代々、守っているらしい。……レヴィン、そなたは旅人として集落へ赴き、内情を探れ。」 兵士長のレヴィンを単身、潜入のために送り込む。 その表情からも、領主が未知の存在に畏れを抱いていることは明白であった。 「……御意。」 一抹の不安はあったものの、レヴィンはそれを承諾した。 領主の不安を取り去り、領土の安全を守る。 それだって、立派に『仕える』ことだと思っていたからだ。
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