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それからと言うもの。
レヴィンとアイシャは度々会っては語らった。
レヴィンは領土の事を。
自分が兵士長であること、部下を抱えていること、剣の腕はそれなりに立つということ……
そして、アイシャは集落について。
しきたりや習わし、行事についてや、決して捕らえてはいけない獣、食べてはいけない木の実、そして……
『守らなければならない場所』もレヴィンに教えた。
『精霊の塚』
祭事の時に、アイシャが祈りを捧げに行く場所。
代々、精霊達の宿る場所として民に愛され、守られてきた場所。
いわば、この集落の象徴であり、心臓とも言える場所、だったのだ。
「集落の者ではない私に……教えてよかったのか?」
不安気なレヴィンに、アイシャは迷わずに答えた。
「貴方だから……教えたのです。」
このとき、レヴィンの心は一気にアイシャに惹かれたのであった。
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