お悩み1 友達がほしいです!

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「...っく」 大野さんが瞳を潤ませ、声を詰まらせる。 「わわわ、泣かないでくださいっ!大野さん、すごいんだから...胸張っていいんですよぅ」 「そうだ、栞の言う通りだと思うぞ?大野さん、何も恥ずかしいことしてねぇし」 慌てて早口でフォローを重ねる栞と俺。 幸い大野さんは涙を零さず、ゆるりと微笑んだ。 そして遠慮がちに唇を開き、か細い声で言った。 「あの...こんなつまんない話、聞いてくれてありがとうございました!...その、図々しいお願い、かもなんですけど」 震えた声で、でも力強く。 大野さんは言葉を紡ぐ。 「......私と友達に...っ、なってくれませんかっ!」 「え...」 栞が呆気に取られたように目を見開いた。 窓から入り込んだ風が、カーテンをうるさく揺らす。 「...本のことも、自分のことも...こんな風にあったかく聞いてもらえたの、は...初めてで。その、だから...っ......って、私なんかじゃ無理ですかね」 ハハハ、と渇いた笑いを漏らす大野さんに、栞が叫ぶように答えた。 「......私の方こそすっごく嬉しかったんです、今日!......私、ずっとこんなだからけーくん以外友達もいないしひとりぼっちで...でも赤毛のアンのこと、大野さんとお喋りできて楽しかった。だから」 ぺこりと丁寧に腰を折って。 深々と頭を下げながら、栞は言った。 「ふ...ふつつかものですが、どうかお友達になってください!」 ...結婚の挨拶かよ。
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