お悩み1 友達がほしいです!

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「凜憧さァーん、何読んでんのぉ?」 甘い、まとわりつくような女子の声が隣のクラス...3組から聞こえてきた。 凜憧...って栞のことだよな。結構珍しい苗字だし。 さっき嬉しそうに3組に出かけて行ったから、多分大野さんと話しに言ったんだろうとは思ってたけど...。 何となく嫌な予感がして、それとなく3組の方を覗き込むと。 (うわっ...) 小さく俯く栞は、明らかにギャルっぽい女子数名に絡まれていた。 もう絵ヅラが完璧にカツアゲなんですけど...。 ギャル女子のリーダー格らしい女子が、可笑しそうに続ける。 「凜憧さんってさ、ずぅっと本読んでるよねぇ。やっぱアレ?孤独を紛らわす的なー?」 「根暗ー。ってかあんな文字列ばっか見て何が楽しいの?拷問じゃん。凜憧さんもしかしてドMとかー?」 ぎゃはははっ、と笑うギャル達。何それ超ウケるんですけどー、と取り巻きたちが言う。...お前らはこの会話の流れのどこにウケたんだ。誰か説明してくれ。 栞はより一層深く俯いた。 タチ悪いな...俺が止めに入りたいけど、それが元でまたなんか言われるかもしれねぇしな。 悶々としていると、黙っていた栞が顔を上げた。 「...違い...ます」 「はぁ?」 「私は...私の、ことはバカにしても、構わないです」 栞は震える声でそう呟き、キッとギャルを睨みつける。 「でも...本のことをバカにするのだけは許せない...世の中に本が苦手だって人がいても、それは仕方ないと思います。でも、それが本を全否定していい理由にはなりませんっ」
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