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「何急に。...調子乗んじゃねぇよ」
「ちょ...ちょっと萌優ちゃんやめてよ!」
大野さんの静止の声が聞こえた。
ギャルボスは怪訝そうに眉を寄せる。
「日和...アンタは黙ってなよ」
「違っ...凜憧さん、別に悪いことしてないじゃんか」
「ふぅーん?そっかぁ」
ギャルボスがニヤリ、と人の悪い笑みを浮かべる。
大野さんが怯えたようにビクンと肩をすくめた。
「凜憧さん最近ムダに3組来るもんねぇ?超不快だと思ってたけどさー...日和につきまとってたってワケ?」
「......違うよ...」
「どう違うんだよ?だってそうでしょ。それとも何?凜憧さんは友達ですーみたいなの言っちゃう感じ?」
「違う!大野さんは関係ありません」
栞が庇うように必死で口を開いた。大野さんが泣きそうに瞳を潤ませる。
ギャルボスがねっとりとした口調で続けた。
「んじゃぁさぁ...日和から言ってやんなよ。メーワクだって」
「......っぁ」
「ねーぇ?日和はアタシたちのだーいじな友達だもんねぇ。ちゃんと言えるよねぇ」
大野さんの表情が、どんどん恐怖に支配されていく。
このままだとまた崩れてしまうかもしれない。
...2人とも幸せそうに笑ってたのに。これからもどんどん親しくなっていくんだろうなと思っていたのに。
『しおりちゃんなんかきらいだって...言われちゃった』
栞のいつかの泣き顔が脳裏に蘇って。
......また今度も...そんなこと、ない。させない!
「おい、お前らいい加減に...」
俺が我慢できずにそう口にした時だった。
大野さんは栞の元に駆け寄って...叫んだ。
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