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「凜憧さんは...やっとできた私の大事な友達なの!お願い、やめて萌優ちゃんっ!!!」
「...大野、さん」
「日和...」
呆気に取られる一同を前に、大野さんは震え声で呟く。
「私...ずっと無理して萌優ちゃんたちに合わせてきた。それでも友達って言ってもらえたら嬉しくて、だからそのために自分を押し殺して...でもごめんなさい。もう無理なの」
「...アンタ自分で何言ってんのかわかってんの?ウチらのことずーっと見下してきたってことだよね」
「違う...そうじゃ、なくて」
「...もーいい。最初っからアンタのこととかどうでもいいし?使い勝手良かったから構ってやってただけだから」
バイバーイ、と吐き捨てて、ギャル達は教室に入っていく。
大野さんが力が抜けたようにその場に座り込んだ。
栞が気遣うように言う。
「お...大野さん大丈夫?ごめんね、私の...せいで」
「違う...凜憧さんのせいじゃない」
「でも...このことのせいで大野さん、クラスで独りになっちゃうかも...っ」
「......それでもいいよ」
大野さんはそっと栞の顔を覗き込んで笑った。
「正直...すっごく怖くて、さっきだって萌優ちゃんの味方しちゃいそうになった。でも、凜憧さんのこと傷つけたくなくて、せっかく出会った私を理解してくれる大切な人を失いたくなくて...だから何にも後悔してない!」
それはとてもスッキリして晴れやかな、澄んだ青空みたいな笑顔だった...。
キーンコーンカーンコーン...チャイムの音が耳元で優しく鳴る。
.........ん?待てよ俺、なんか用事あったような...。
そうだ、移動教室だぁぁぁぁ!
無言でダッシュする俺。
まぁ結局遅刻してこっぴどく叱られたのだが...。
何はともあれこれでなんとか一件落着。
大野さんと栞はのちにアンとダイアナを彷彿とさせるような、『腹心の友』となったのだ...。
>>お悩み1 解決
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