お悩み2 消えたペンケースを探してください!

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げっ、...思ってたよりも分厚い。 俺は苦笑いを浮かべつつ、やんわりと断った。 「お、おー...また時間のある時に借りるわ」 「...そう言って借りたことないくせに」 じいっ、と栞が上目遣いに睨んでくる。...ごもっともです。 冷や汗をかきながらいそいそと、返却棚の本を本棚に戻していく。 ずっと黙ってるのもなんだかな、と思ったので、俺は何気なく尋ねてみた。 「栞。大野さんとは仲良くできてるか?」 「...うんっ!日和ちゃんとは最近よく話すんだ!」 大野日和...以前図書室に来て悩みを相談してから、栞と友人になった女子生徒だ(詳しくは【お悩み1】読んでください)。 日和ちゃん...か。もう名前で呼び合うようになったのか。 昔から大人しくて本ばかり読んでいた栞には、友達がいなかった。 幼馴染の俺はそんな栞の辛そうな姿を一番傍で見てきたし、栞に大野さんという友達ができて...ホントに嬉しい。 「そっか。良かったな」 「うん...」 栞が2つに結んだ髪をふわりと揺らして目を細めた。 俺は棚に本を戻し終え、栞のいるカウンターに向かう。 その時。 ギシシシッ、ギイイッ! 図書室の古い扉が、ひどく軋んだ音を立てる。 その後に扉が叩かれるドンドンズシズシという音が鳴り響き、栞が驚いたように目を丸め、本をぱたりと閉じた。 「返却...かなぁ」 ...にしてはちょっと荒っぽい気もするんだけどな。
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