お悩み1 友達がほしいです!

7/14
前へ
/40ページ
次へ
そして大野さんは言った。 「よかったら聞いてくれませんか、私の話...」 「私...友達が欲しいんです!」 「ほえっ?」 「お、おぅ...」 唐突な大野さんの言葉に、栞も俺も面食らう。 と、友達……ねぇ。 「いないんですか?友達」 「アホ栞!何ずばっと聞いてんだっ」 「...だって私も...いないし」 栞がうつむき加減に呟いた。 あ、まずい話題だったか...? 大野さんはふふっと笑った。 「いいんです。変に気を使われるよりいいし...」 そして明るい茶色の髪を指に巻きつけながら続ける。 「……私、この髪染めてるわけじゃないんです」 「へっ……?」 失礼だけど染めてると思ってた。かなり明るめの茶色だしな。 「私はハーフなんです。だからこんな髪の色で……中学の時、ずっと染めてるって言われてて。どんなグループにも入れてもらえなくて...だから私、高校デビューしようって思って!派手めなグルーブに頑張って入ったんですっ」 でも…と大野さんは自嘲気味に笑った。 「ダメなんです。あの中にいるの」 「あの中ってその...グループってことか」 「はい...私、本とかすごく好きなんですけど、そういう趣味の人全くグループにいないんです」 「ほっ……本が好きじゃない人のグループ!?わわ、辛いですね」 栞が辛そうに肩をすくめた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加