お悩み1 友達がほしいです!

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「大野さん...」 瞳をゆっくり揺らしながら、栞が顔を上げた。 しっかりと大野さんの瞳を見据えて、口を開く。 「私も同じ...です」 「...っ」 「私も本が大好きで、ずっと読んでいたいって思ってて...そんな気持ちをわかってくれる人はいなくて、それを伝えられるほどの勇気もなくて、...1人になっちゃうんです。いつもいつも」 ざぁっ、と窓から強い風が入り込んで吹きつけ、大野さんの透けるような茶髪が揺れる。 栞はゆっくりと優しい笑みを浮かべた。 「大野さんは...すごいと思う。わたしは何もできなかったけど、大野さんは友達を作るために行動できたんですよね?それが結果的に良い方向に向かってるかはわかんないけど...でも、多分すっごくいいことですよ!」 「凜憧さん...」 「...えっと、俺もそう思うけど」 俺もおずおずと口を開くと、大野さんは瞳に驚きと歓喜の入り交じった光を浮かべた。 ...俺は...この2人と全然違うタイプの人間だし、読書だって苦手だ。 でも、そういうことじゃなくて...。 「何か新しいことに踏み出すって怖いし...派手なグループとか絶対近づけないって思うよフツー。...すごい勇気だと思う」
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