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「なんで帰郷したんだ?」
「懐かしくなって、かな」
ウェブ越しでない友人達との飲み会は、距離感の近さもあって、より懐かしさに浸ることができる。
「駅前、シャッター通りになってて、驚いた」
「寂しいよなぁ」
「……ユウ。なにか、あった?」
「なにかって、なんのことだい、リン」
「いや、うまく言えないけどさ……なんか、この間から数日で、妙に大人っぽくなったって言うかさ」
特になにもないけどな、と答える俺に、ミツが携帯を掲げながら聞いてくる。
「そうだぁ、あの子覚えてるぅ?」
「どの子のこと?」
「ほら、ユウが好きだった――今村さん」
この間も話題になった、電子データのアルバム。今日は携帯端末に保存して、ミツが持ってきていた。
写真を見ながら、当時の記憶が蘇ってくる。
「……あぁ、懐かしいね」
答えながら、でも、心は静かだった。
心が躍ったはずの、初恋と人との、一夏の想い出。
そのはず、なのに。
「あらぁ、冷めてるぅ。そういう態度、よくないぞぅ?」
口をとがらせるミツは無視して、写真を何枚かスクロール。
そのなかで、ふと……ある一枚の写真が、眼に入る。
「ここにいるの、誰だっけ」
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