君といた僕を失っても

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「僕が、変わってない? そうかな」 『そうねぇ、カッコよくはなったけどぉ……雰囲気が、かなぁ』  頷く三人の様子から、驚いてしまうけれど、否定しづらい。 「これでも、仕事ではがんばってるって、言われるけれど」 『ん~、そうじゃなくて……。子供から、そのまま大人になっちゃった、って言うのかな』  リンがそう言うのなら、そうなのかもしれないと想えてしまう。  クラス委員をこなしていた彼女は、周囲をよく観察して、行動するのが得意だったからだ。 『海月さんと遊んでいた頃の……あぁ、そうそう。笑ったところなんか、この頃と、良く似てるかも』 「あ、あぁ……この写真、ね」  映し出された写真に、さすがに少し口ごもってしまう。  それは、海月さんという想い出の少女と、僕だけが写された、二人きりの写真だったから。 『それしかなかったんだよね。海月さんが、きちんと写っている写真』  リンの言うとおり、実は、海月さんを写した写真はこれ一枚しかなかった。  先生達も、もちろん生徒も驚いたけれど、事実だったから仕方ない。  おまけに、海月さんは体調不良により、全体写真も一緒に撮れなかった。  ――海月さんは、全員が並んで撮られた写真の、右上に添えられている。別の場所から貼りつけられた、無地の背景とともに。 (いつもいるのに、どこか、遠かった)  だから僕は、海月さんのことを、いつの間にか追いかけていたのかもしれない。 『優斗には、笑ってたんだよね』 「あれ? 他の人とも、遊ぶようになってたよね」  転校当初は、確かに誰にも笑いかけなかった海月さん。  だけど、次第に少しずつ、触れあっていたような。
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