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「次これー。2時間ドラマで大活躍の『鈍器のようなもの』こと『応接室のガラスの灰皿』でいくっす。コレめっちゃ重い。つよいコレ、絶対つよいコレ」
男は「おっ!」と何かを見つけて歓声を上げると、フレームの外へ走り出す。
カメラには少し高台にあるのどかな島の風景のみが映し出され、それはまるで環境映像のように美しかった。
――ゴっ!
「おおっ?!」
――ゴっ! グシャ!
「わははっ! すげー!」
笑い声との後に、一瞬の間を置いて血まみれの男がフレームに入る。
同じく血と肉と何かよくわからないものにまみれた灰皿をカメラの前に持ち上げると、包丁と同じように地面に投げ捨てた。
「灰皿スゲー! でも近づかなきゃ殺れないから、やっぱちょっと不便。重いし」
すっとフレームアウトして、すぐに戻ってきた男が手に持っていたのは、子供用の水鉄砲。
反対の手には青いキャップの薬品ボトルのようなものを持っていた。
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