9 1999

1/1
前へ
/18ページ
次へ

9 1999

 カラオケボックスを出て異変に気づいた。  ファッションが変わっている。  厚底サンダル、ヤマンバファッション、ケータイにPHS。スマホの液晶を見て度肝を抜いた!  1999・6・28 非正規雇用が増加し、だんご3兄弟がヒットした。SONYが開発したアイボに追いかけられた。  道玄坂で歯輪銃を使ってアイボを倒した。  夏海はナカナカ銃の扱い方がうまい。  桐野夏生の『柔らかな頬』を読んだりした。 「あれ?夏海じゃない?」  センター街で広末涼子によく似た少女に声をかけられた。 「マリア?」 「このまえLUNA SEAのライブに行ったんだ」 「国際展示場だっけ?」  マリアって少女は2年後にゾンビに喰われて死んだ。  俺は日産エキスパートってライトバンを買ったりした。夏海はエルサルバドルに行けなくなってホッとしている様子だ。  7月にはスター・ウォーズが公開された。  大して面白いとは思わないが夏海の機嫌を損ねたくないから無理して笑った。  ヒドイ猛暑だった。  9月16日、マジカル頭脳パワーの最終回を見終えて夜のランニングをしているとゾンビが襲いかかってきた。  夏海はデブって醜くなったので見殺しにした。  ナンパをしに池袋に出かけた。  喪服を着た美女がいた。  ゾンビに襲われそうになっている。  パイロキネシスでゾンビを燃やした。  「ありがとう」  未亡人からお小遣いをもらった。  椎名林檎のアルバム『無罪モラトリアム』を買った。《幸福論》《歌舞伎町の女王》《ここでキスして》の順序で20回聴いたら世界が真っ白になった。  私も『クビリオニ』にはハマっていた。  焔の野郎、モルモットを次々に殺しやがった。  介護施設はガタガタだった。  賞金をゲットして新車でも買いたいな? 『クビリオニ』は依頼人と同じ死に方で標的を殺すって内容のゲームだ。  依頼人は既に死んでいる、つまり亡霊だ。  主人公も既に死んでいて地獄に堕ちてしまった。罪を着せられたうえに無惨に殺されてしまった。《地獄から出てカップヌードルが食べたい》  檻のナカで主人公が足掻いている。  主人公では味気ないのでノノって名前をつけた。本当はアーサーってゆーらしい。  まぁ、定番の名前だ。ヤル気が感じられないな?ひねりもクソもない。 《ノノよナカジマを殺してくれ》  今回の依頼人は磯野カツヤって少年だ。 《仕事を引き受けますか?》  私はイエスを選択した。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加