魔術師コーサクの事件簿

7 戦艦

　確かに水樹のゆーとおりだ。
　もう少し粘って聞き出せばよかった。
　イロイロ仕事も不安定だったしな?ストレス解消にはなったけどさ?前からカーキ色の服を着た男がやって来た。
　シングルブレストのジャケットだ。
　女性は白と藍色の更生服を着ている。
　浴衣を洋装にリメイクしたものだろう?
　1945年くらいに流行したスタイルだ。
　悪いことしたからとんでもない時代に来ちまったのかな?イヤ、1500年代の武器があるんだぞ?どっちの時代なのさ?
　パンパンルックの女もいる。
　赤いスカーフを頭に巻いている。ドぎついアイラインにチリチリパーマ。
　俺は土下座をした。
「すみません、もとの世界に戻りたいんですけど?」
「なにいってんのさ?カストリでも飲んだのかい?」
　ズカズカとリーゼントヘアの男がやって来た。
　アロハシャツにタックパンツ、アプレ青年と呼ばれた。センターguyとか太陽族とかと同じ意味合いだ。ヤバそうな感じがする。
「オイ!俺の女に何しやがるんだい!」
　ドカッ!アプレ青年の猛烈なパンチを喰らった!
「ワオッ!モーレツ!」

　目を覚ますと沖ノ島にいた。千葉県館山市にあるキレイな島だ。海上自衛隊のヘリが飛んでいる。鷹が悠々と舞っている。
　造船所で巨大な戦艦を造っている。
　戦艦が出来上がるまで周辺を探索した。
　館山市役所の敷地内に地下壕がある。　
　この中にパスワードとかないかな?
　特に何もなかった。FamilyMartでファミチキを食べて体力をUPさせた!
　歯輪銃を使ってヘリを撃墜させたってのは嘘です。
　戦艦が出来上がった。
　上陸したのは2016年11月20日の汐留だ。
　日テレタワーにやって来た。ジブリのハウルの城のからくり時計がある。中野ではフードフェスタをやっていた。
　少女が近づいてきた。
「寒いですねぇ?」
「そうだなぁ」
「どこから来たんですか?」
「岐阜県」
　具体的なことは話さないようにしよう。
「ワタシは仙台です」
　よかった!『ワタシも岐阜県なんです』なんて言われたらドギマギしちゃうな?イヤ、ドギマギするじゃ済まないか?
　恋に堕ちちゃって、カラオケボックスに入った。「ゴメン、今日持ち合わせないんだ?」ホントは財布にたくさん入っていたが嘘を吐いた。
「ワタシ出しますよ?」
　少女は片倉夏海ってゆーらしい。