8 スピンオン

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8 スピンオン

 夏海はプリンセスプリンセスの『M』を歌ったが大してうまくなかった。でも、カラオケ代出してくれるからほめておいた。精密採点はボロクソだった。機械は嘘を吐かない! 「3Tファミリーってスゴいですよね?」   夏海が言った。 「タロス、テリア、ターターだっけ?」  タロスは長距離、テリアが中距離、ターターが短距離だ。 「そうそうスタンダードミサイルですよ」 「デュアルユース、19世紀のイギリス、紡績」 「山田さんが話の通じる人でよかった、まわりの女子はバカばっかなんです」 「ハハハ、イージスシステムのアイギスなんかスッゴいよな?」 「アイギスって盾って意味があるんですよ」 《銀の鍵》はちゃんとあるようだ。 「鉄条網とか合成繊維だとか民間のものも軍事に利用されているね?」 「あぁ、スピンオンね?」  原子炉とかロケット、電子レンジなんかは元々は軍用だった。これらはスピンオフと呼ぶ。 「ワタシ、来月からエルサルバドルに行くんです」サッカー戦争があったところだ。ホンジュラスと100時間もドンパチした。サッカーの勝敗を巡って殴り合いから銃撃戦、さらには爆撃にまで発展してしまった。 「そう、気をつけてね?コスタリカにはいつか行ってみたいと思ってるんだ」  非武装国家だし?火山帯だし?コーヒーやバナナがうまい。医療費は大人も子供も無料だ。  俺は夏海に歯輪銃をプレゼントした。  モチロン!タダではありません!10万ゲットした!
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