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「思い出じゃねぇよ」
「……どういうこと?」
泣きはらした赤い目で首を傾ける。駄目だ。すね毛もケツ毛も生えた男を見て、ウサギを連想するとかありえない。
「まだ時間あるだろ。今度は俺の上に乗れよ」
言えない。お前が可愛く見えるだなんて、言えるわけがない。分かりやすい言葉を言ってやれない代わりに、怪訝な顔で首を傾けるあいつの手を引いて、俺の胸に抱き寄せた。
まだ時間はある。
シートに頬を擦り付けてあいつは喘ぐ。高く上げさせた尻から背中にかけて、落ちていた土くれで線を引くように擦り付ける。よがる声が一層高く響く。
小さな尻を鷲掴みにして揺らす。俺の伸びた爪の先は、セメントの粉やら油やらが詰まって黒い。その黒い爪がカントクさんの白い尻に食い込む。
引き寄せ、繰り返し穿つ。より深くへ、より最奥へ。熱くてうねるそこからは、俺のものが泡を立てて溢れている。
「ふぁっ、あぁぁっ……も、だめっ……しんじゃう」
「いいよ、死んで」
俺のもので天国へ連れてってやる。
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