しにそうなほど

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「だって、好きなひととしてるんだから当たり前だろ」 「中に」 「え?」 「中に出していいのか?」 「うん、俺んち近いし、車だから大丈夫」  俺が射精するのが嬉しいのか、声が明るくなった。顔を覆っていた手が俺の太ももに遠慮がちに触れる。  高みに向けてがんがん突きまくっていると、あいつが俺の腹筋を見ながら自分のものを擦っているのが目に入った。目が合うと、すまなそうな顔をする。 「ごめん、気にしないで」  俺はあいつの手ごと掴んで、屹立の先を俺の腹に触れさせた。じわりと浮かんだぬめりでもって、固い腹筋の上をのの字に滑らせる。  前かがみになり、顔の脇に手を突いて再び抽送を始める。あいつは腹筋に亀頭を擦り付け、俺が遠慮なく中に放ったと同時に二人の腹を濡らした。 「……ごめんね。ありがと。俺があんまり憐れだからって、お情けでやってくれたんだろ? 思い出くれてありがとう」  ぐずぐずと鼻を鳴らす。そういえば最中も何度も謝っていた。なんなんだこのしおらしさは。  必死で俺の脚にすがりながら告白し、断ったら泣きじゃくり、今はやっぱり泣きながら一歩下がって俺に感謝している。なんとも厄介な男だ。  俺は足元に転がっていた箱ティッシュから数枚抜き取ると、あいつの顔に押し付けた。     
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