13人が本棚に入れています
本棚に追加
今度のけっこん相手の方をしょうかいします。
しょうかいしますと言っても、まだ見たことはありません。
そもそも、その顔をしっかりと見れるのかどうかさえわかりません。
おおばばさま(長老のお母さんで、彼女が言うにはおんとし125才とのことです)の言うことには、今度のそのけっこん相手は、今までで一番美しい姿をしているとのことで、もっとよろこんだ顔をしなさいとのことでした。
おおばばさまの話によりますと、今度の夫は、とてもじょうぶなからだの持ち主で、しかもわたしの何倍も大きいそうです。だから、今回はさすがにお前でも相手をあの世に送ることはむりなのではないか、とおおおばばさまは言うので、わたしはむきになっておおおばばさまにこたえたのでした。
わたしを誰だと思っているの?今までわたしとけっこんしたものはぜんいん、わたしの手によってなくなりました。今度もかならず、ほうむってみせるわ、と。
おおばばさまはわたしのその強い言葉を聞いて、安心したようすでしたが、念のためでしょうか、わたしにこう言うのでした。
わかってはいると思うがぜったいに失敗は許されぬぞ、確実にほうむりさるのじゃ、よいな、と…。
わたしは、この言葉をいつも耳にタコができるほど聞いていたので、内心ではしつこいと感じながらも、おおばばさまのきげんをそこねないように、いんぎんにはいわかりましたとうなずくのでした。
最初のコメントを投稿しよう!