落ちてきた非日常

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生活能力的なものじゃなくて、気持ちの問題 18歳、恋愛経験ゼロ 女子に告白されたことはあるけれど、男子からはまったくない 気持ちの問題だな。まったく興味がそちらに向かない 片思いはある! …はず……? 友人達は「春華は可愛いから、その気になればできるのに」なんて言う その気ってなんだ 必要性も結局感じなくて、他に楽しい事が多くてそっちが優先 そりゃ、できるわけがない でもやっぱり、羨ましくもある 彼氏が欲しいんじゃない。恋をして、キラキラしている友達が羨ましいんだと気づいて、萎えた 「私って、女子じゃないよね」 思わず独り言。だって、虚しい 外はまだ寒い。春っていっても桜もまだだ それでも日差しは温かくなってきた 気持ちよく流れる雲を見ている こうして空を見ていると、色んな雲があるものだ。それに、黒い影………黒い影? 飛行機にしては長細くてうねうねしてる。まるで…… 「龍?」 思わず呟いた。 その影は雄大に空を泳いでいるように見える そしてその影が、何か光る粒を落とした どんどん光の粒はこっちに向かって落ちてきて…… 「って、ちょっと!」 桜色に光るそれは確かに落ちてくる。小さくたって当たれば怪我じゃすまない! 慌てて逃げようとした。でも、体が動かない!     
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