292人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうやら、礼儀を知らぬ娘のようだ」
底意地の悪い笑みを浮かべた男が片手を上げた
すると、暗がりから二人の人が突然出てきて、私の腕を強く掴み上げた
鎧みたいなのを着て、腰に剣を差している
怖いのと痛いのとで頭の中はパニックだ
そもそも、どうして私はこんな所にいるの? どうしてこんな扱いを受けているの?
ドッキリならもう十分だから誰かネタばらしして!
「立て!」
「いやぁ!!」
怖い 嫌だ 離して!
そんな思いで力いっぱい叫んだ
その時だった…
突然ピンク色の光が広がった。落ちてきた玉の色と似ている
それが光った途端、私を掴んでいた二人が何かに押し潰されたみたいに床に倒れた
この人達だけじゃない
私に命令口調で話した三人の老人も、中年男も同じように潰れている
上から圧力がかかったみたいにジタジタして、苦しそうに唸ってる
「あ……」
違う恐怖が襲ってきた
人が潰れてしまいそうな圧力なんて、このままじゃ死んじゃうんじゃ…?
「どうしよう…」
多分原因はあの光だ。私の声に反応したみたいだった
もしもこの人達が死んだら、私が殺した事になるの?
怖くて声がでない。震えが止まらない。パニックで息が上手く入ってこない
その時、戸口に近い闇が少し揺れた気がした
最初のコメントを投稿しよう!